2016年末に定年退職しました。 このブログでは、埼玉県比企郡鳩山町を中心にした植生写真を掲載します。 その他、その地誌、趣味の木工、旅行、お酒にも触れます。

新型コロナウィルス(COVID-19)の感染者数に関しての考察(その9-2)ー実効再生産数に変わる単純な感染指標その2

 ここで新規感染者数週間比のグラフを解析するにあたり、そのポイントを要約します。

(1)新規感染者数週間比 $\widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13}$ の数値が1より大か小かという点
(2)$ \widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13} > 1$ ⇒ 日付 $d$ から2週間以内で新規感染者数が増加していると考えられること
(3)$ \widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13} = 1$ ⇒ 日付 $d$ から2週間以内で新規感染者数が増減していなく平衡していると考えられること
(4)$ \widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13} < 1$ ⇒ 日付 $d$ から2週間以内で新規感染者数が減少していると考えられること

 そこで上記ポイントを念頭に再度 Figure 1 をみてみます。
細かな挙動を無視して大局的にみると、下記事項が解析できます。
(1)新規感染者数週間比 $\widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13}$ の数値は、7月中旬での第二波のピークを過ぎて減少し8月8日付近で1を割り、以降9月5日付近まで減少する傾向にあったこと
(2)新規感染者数週間比 $\widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13}$の数値は、 9月5日以降は増加する傾向にあり10月10日付近で1をよぎり現時点に至るまで増加傾向を維持していること。


新規感染者数週間比
Figure 1 新規感染者数週間比 $\\widetilde{R}(d)_{0\\Rightarrow-13}$

 以上ここでの考察の結果として、下記事項を要約します。

(1)新規感染者数週間比$\widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13}$を導入したこと
(2)厚労省の公表データに基づき上記新規感染者数週間比を算定しグラフ化したこと
(3)その結果、9月5日以降は新規感染者数週間比は1をよぎり増加傾向にあること

 この先の懸念事項としては、上記 (3) の傾向が継続すると仮定すると次の感染ピーク、すなわち第3波の到来の可能性があげられます。

 なお次の記事としては、今回導入した新規感染者数週間比$\widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13}$の合理性に関して考察したいと思います。

新型コロナウィルス(COVID-19)の感染者数に関しての考察(その9-1)ー実効再生産数に変わる単純な感染指標その1

まずは日本疫学会のHPを参考し、下記にて基本再生産数実効再生産数の定義を確認しておきます。

Definition 1:基本再生産数
 基本再生産数とは、ある感染症に対してその感染症に対する免疫を持たない集団にその感染症を最初に持ち込んだ一人の感染者が、感染力を失うまでに(免疫の獲得もしくは死亡により)感染させた人数の平均値。

Remarks 1 その感染症に対する免疫を持たない集団を、全員が感受性である集団という表現をします。
     2 何人に感染させるかを数値化した感染性の指標です。

Definition 2:実効再生産数
 実効再生産数とは、集団全員が必ずしも感受性ではない場合(感染が流行中である場合や、感染が拡がり、免疫を持つようになったひとが増えている段階やワクチン接種が拡がっている状況)において一人の感染者が、感染力を失うまでに(免疫の獲得もしくは死亡により)感染させた人数の平均値。


 COVID-19に関して、基本再生産数R0は、1.4 から 6.49 (平均:3.28)であると言われています。
この数値が幅をもつ理由は、環境因子や感染集団の行動様式といったその国の社会性の差異や基本再生産数を算定する際の数理モデルの差異によるもののようです。

 次に実効再生産数ですがこれを算定するのは、直感的に厄介な印象を受けます。
というのも、感染してから回復するまでの時間経緯を追跡すると下記となります。
(1) 感染した時点
(2) 感染しているが症状はなく感染性もない期間:潜伏感染期
(3) 感染し症状はないが感染性がある期間
(4) 感染し症状があり感染性もある期間
(5) 感染し症状があるが感染性が無い期間
(6) 感染し症状も無なくなった(感染性も無い)時点

一方で各地方自治体から新規感染者数が報告されますが、その感染者が上記の時間段階のどの段階であるかは様々です。
またPCR検査を実施した時点、感染が判明した時点、報告する時点もそれぞれ時間的遅延があります。
こうした状況で、実行再生産数、すなわち1人の感染者が生産する感染個体数の平均値を算定するには、合理的仮定を採用し統計数学を適用することになるであろうと推測されます。
ここでは、この内容での展開はいたしません。

 ここで考察することは、実行再生産数より単純で納得するのが容易な展開です。
私は疫学や感染学に関わっていませんので実行再生産数を算定することにはあまり興味がありません。
算定がより容易で感染が拡大しているのか、平衡状態なのか、縮小しているのかを合理的に推定できる感染指標が欲しいだけです。
今$d$を日付とします。
$d$は、excelで使用されているシリアル値とします。
$I(d)$を日付$d$における新規感染者数とします。
ここで、下記で定義される比を考察します。
\[R (d)= \frac{I(d)}{I(d-1)},\ldots\ldots{[1]}\]
この比 $R(d)$ は新規感染者数の前日比であることは明白です。
この数量をここでは新規感染者数前日比と呼ぶことにします。
これを計算するまでもなく、そのグラフは滅茶苦茶乱雑なものになると推定されます。
それは、PCR検査数が定数ではなく1週間のうち土曜日、日曜日で、さらにまた祭日が続くと大幅に低くなり、その結果新規感染者数が不連続的に変化するためです。
そこで、次の数量を導入します。
 \[\widetilde{I}(d)_{0\Rightarrow-6}\equiv\sum_{i=0}^6 {I(d-i)}/7\]
ここで$\widetilde{I}(d)_{0\Rightarrow-6}$ は、日付$d$から7日間の新規感染者数の平均値を表していることがご理解できると思います。
次に、日付 $d$ から8日前から13日前の新規感染者数の平均値$\widetilde{I}(d)_{-7\Rightarrow-13}$を算定します。
\[\widetilde{I}(d)_{-7\Rightarrow-13}\equiv\sum_{i=7}^{13} {I(d-i)}/7\]
次に式[1]を次のように書き改めます。
\[\widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13} \equiv  \frac{\widetilde{I}(d)_{0\Rightarrow-6}}{\widetilde{I}(d)_{-7\Rightarrow-13}}, \ldots  \ldots {[2]} \]
ここで、この数量 $\widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13}$は日付 $d$ から1週間前の新規感染者数の平均値と日付 $d$ から2週間前の新規感染者数の平均値との比を表しています。
$R(D)$を日付 $d$ における新規感染者数前日比と読んだことに対応して、この数量 $\widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13}$ を日付 $d$ における新規感染者数週間比と呼ぶことにします。

 さてCovid-19の国内の新規感染者数に関しての厚労省の公表データに基づいて新規感染者数週間比を計算し日付の関数でプロットした結果を Figure 1 に示しました。

 
新規感染者数週間比
Figure 1 新規感染者数週間比 $\widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13}$



 ここでの記事の文字容量が制限を超過しましたので、以降の議論は次の記事に掲載します。




新型コロナウィルス(COVID-19)の感染者数に関しての考察(その8)ーPCR検査実施数と陽性率

PCR検査実施人数陽性率の相関を考察してみました。
興味ある関係が出てきましたのでご報告させていただきます。
Figure 1をご覧ください。
これは2月以降の厚労省公表のデータに基づいてPCR検査実施人数陽性率を日付の関数で示したものです。
厚労省は、「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年m月d日版)」という情報を日ごと公表しています。
この公表値は、令和2年m月d日の0時0分時点での数値です。

 ここでの解析では、この公表値は令和2年m月d日の前日の数値として取り扱っています。
厚労省公表の情報の中で下記の2種類のデータ、「PCR検査実施人数前日比(国内事例)」並びに「陽性者数前日比を使用しています。
なお私の解析では、上記の2種類のデータの名称を各々PCR検査実施人数新規感染者数と言い換えて表現します。

1. PCR検査実施人数前日比(国内事例) ⇒ PCR検査実施人数:$T$
2. 陽性者数前日比 ⇒ 新規感染者数:$P$

この2項目のデータから、下記により陽性率:$R$ を算定します。
\[R = \frac{P}{T}\]
Figure 1 の中の棒グラフが1日ごとのPCR検査実施数:$T$陽性率:$R$ を示しています。
PCR検査実施数の日ごとの揺動が激しく傾向を把握しにくいため、PCR検査実施者数:$T$陽性率:$R$ に対して1週間の移動平均を計した結果がFigure 1 の中の折れ線グラフです。
なおここではPCR検査実施人数1週間の移動平均を移動平均PCR検査実施人数:$\bar{T} $陽性率:$R$ 1週間の移動平均を移動平均陽性率:$\bar{R}$ と表現することにします。

 この移動平均PCR検査実施人数:$\bar{T} $移動平均陽性率:$\bar{R}$ のグラフから次の事項がわかります。

(1) 移動平均PCR検査実施人数:$\bar{T} $ は7月以降増加していること
(2) PCR検査実施人数:$T$直近では1日の実施人数が50000人を超えることもあること
(3) 移動平均陽性率:$\bar{R}$ 移動平均PCR検査実施人数:$\bar{T} $ に追随して6月7月にかけて増加傾向にあること
(4) しかしながら、移動平均陽性率:$\bar{R}$ は7月末から8月にかけて減少する傾向があること
(5) 移動平均陽性率:$\bar{R}$ は7月末ごろピークアウトしていること






figure 1
Figure 1 PCR検査実施人数と陽性率グラフ:日付の関数
棒グラフ:厚労省公表の1日ごとの数値のプロット
折れ線グラフ:1週間の移動平均値のプロット


 Figure 1 から上記の(1)~(5)の事項が認められました。
これらの事項の中で事項 (2) を除くと、移動平均PCR検査実施人数:$\bar{T} $移動平均陽性率:$\bar{R}$の間に相関関係がありそうだということです。
そこで、移動平均陽性率:$\bar{R}$移動平均PCR検査実施人数:$\bar{T} $ の関数としてプロットしてみました。
Figure 2 をご覧ください。
移動平均陽性率の時系列的な変化が追跡できるように、散布点を月ごとに色別しかつ点を線でむすんで表示しています。
このプロットから、上記の事項(1),(3)~(5)がより明確であると認識できます。
上記の事項(1),(3)~(5)をより単純に表現すると、

[1] 移動平均陽性率動平均PCR検査実施者数の関数として表示するとピークを形成する

となります。

 ここで、7月から新規感染者数が増加している現在の状況を感染第2波と呼び、4月にピークアウトした感染状況を感染第1波と呼ぶことにします。
上記事項 [1] は感染第2波に対して成立しているものでした。
しかしながらFigure 2 の3月4月5月のプロットを見ますと、上記事項 [1] は感染第1波に対しても成立しているように考えられます。



figure2

Figure 2 移動平均陽性率:$\bar{R}$ vs. 移動平均PCR検査実施者数:$\bar{T} $

 さて、一般論として感染検査数陽性率を考えてみます。
いま感染検査数を固定して一定と仮定して考察します。

A: 感染が拡大している状況では陽性率は日ごとに増加する
B: 感染が拡大縮小もせず平衡な状況では陽性率は一定値を維持する
C: 感染が縮小している状況では陽性率は日ごとに減少する

と考えられます。

 次に感染検査数を増加した場合を考察してみます。
2通りの状況を設定します。
すなわち、市中感染が支配的な状況とクラスター感染が支配的な状況の2通りです。

 まず、市中感染が支配的な状況では、

A': 感染が拡大している状況では、感染検査数を増加すれば陽性率は増加する
B': 感染が拡大縮小もせず平衡な状況では、感染検査数を増加すれば陽性率は一定値を維持する
C': 感染が縮小している状況では、感染検査数を増加すれば陽性率は減少する

と考えられます。

 いっぽう、クラスター感染が支配的な状況では、

A": 感染が拡大している状況では、感染検査数を増加すれば陽性率は増加することはない
B": 感染が拡大縮小もせず平衡な状況では、感染検査数を増加すれば陽性率は減少する
C": 感染が縮小している状況では、感染検査数を増加すれば陽性率は減少する

と考えられます。

上記考察事項C', B", C"から次の重要な結論が導かれます。

Conc.: 感染検査数を増加して陽性率が減少するのであれば、市中感染かクラスター感染かいずれが支配的な場合でも感染が拡大縮小もせず平衡な状況または感染が縮小している状況、すなわち感染は拡大していない状況である。


 Figure 2 から明白なように、8月になってから移動平均陽性率:$\bar{R}$ 移動平均PCR検査実施人数:$\bar{T} $ に対して、減少傾向にあります。
この事実から上記結論を敷衍しますと、感染第2波は現在拡大していない状況であると考えることができます。







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プロフィール

nonchan

ブログデビューしたてのビギナーです。 定年リタイア後、ルーティンとして週5のウォーキングと週2のスイミングを課してます。 ブログでは、わたし流の生活から派生した事項を載せるつもりです。 まずは、ウォーキング中に撮影した自宅付近の植生の写真を載せます。 趣味の木工も掲載しようかと考えています。