わたし流の庭の植物たちを紹介しています。
日記風にfacebookに記載していたものをまとめました。
内容を少し追加したりしています。
初夏編(2)です。



(1) 6月19日

 花の開花レポートを再開します。
本日の花は、ナンテンです。
ナンテンは、「南天」です。
中国ではナンテンの赤い実をランプに連想して南天燭と呼ばれ、また葉が竹に似ていることから南天竹と呼ばれたそうです。
和名ではその南天を音読みして、ナンテンとなったそうです。
花は純白の6弁花で反るように咲きます。
6本の黄色い太めのオシベが対比してます。
ナンテンの葉は独特で個性的です。
梅雨時の開花ですので、雨水で花粉が流失し実成が難しい植物です。
たっぷりした赤い実を付けるためよく軒下付近に植栽されます。

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(2) 6月20日

 本日の花は、コムラサキです。
コムラサキは、「小紫」です。
ムラサキシキブ(「紫式部」)の小型版という命名です。
ムラサキシキブの古い和名はムラサキシキミであり、これが転訛したようです。
花は薄紫色の筒状で先が4つに裂け平らになり、まるで4弁花のように見えます。
黄色の葯を持つオシベは4本、メシベは1本です。
両者は、ともに長く筒状の花冠から飛び出しています。
花の柄の位置は、対生する葉の付け根の数mm上部です(腋上生花(エキジョウセイカ))。
深緑色の葉身は細長く、その先端付近のみが鋸歯状です。
腋上生花であることと鋸歯状(先端付近のみ)が、ムラサキシキブとの識別ポイントです。

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(3) 6月21日

 本日の花は、ムクゲです。
ムクゲは、「木槿」です。
ムクゲの原産は中国であり、中国名「木槿」(ムーチン)からきてるとのことです。
やや紫色を帯びた5弁花です。
花も葉も和趣には欠けますが、ムクゲの花が咲くと暑い夏が近づいているのを実感します。
多数のオシベがメシベの軸に沿って並びます。
これがムクゲの属するハイビスカス属の特徴となります。
ムクゲは命が短く1日花ですので、道路に面して植栽すると掃除が大変です。


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(4) 6月22日

 本日の花は、センリョウです。
センリョウは、「千両」です。
赤い実がなるマンリョウと対比され、千両と命名されたようです。
千両の花の構造は、不思議以外の何物でもありません。
まず花弁も萼もありません。
さらに緑色の花軸に薄緑色の粒上のメシベが複数載り、そのめしべ各々に白色の粒上のオシベが1個しがみついているという構造です。
うわべを飾らず凛として実力だけで勝負するという意気込みを感じます。
葉は深い緑色で赤い実ができるととても良い対比となります。


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(4) 6月22日

 本日の花は、ゼフィランサスです。
ギリシャ語の「zephyros(西、西風)」と「anthos(花)」が語源だそうですが、その由来は不明とのこと。
桃色の6枚の花弁は、手前3枚と奥3枚の2層となっています。
縦に濃い目の桃色の筋が平行に走ってます。
オシベは6本で葯は黄色、メシベは1本で柱頭は3裂しています。
花茎が土からスーと出て、その基には葉がありません。
写真でははっきりとしませんが花の背後の~もしくは写真に映る石の左端周辺の~線状細長の根生葉がこの花の葉と思われます。
この花がどこから来たのか。
わたし流の庭に存在する由来は不明です。


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(5) 6月24日

 本日の花は、ホンアジサイです。
ホンアジサイは、「本紫陽花」です。
アジサイに「紫陽花」の漢字を当てたのは平安時代だそうです。
和語のアジサイの由来は、諸説あるようです。
花の構造は、大きな4枚の萼片の装飾花(中性花)の集合体だけから成っているように見えます。
この装飾花の集合体をひっくり返します。
2番目の写真をご覧ください。
この写真にあります球状の白色の花に注目してください。
この白色の花は、実は両性花です。
ホンアジサイにも両性花が存在しています。
この事実は、あまり知られていません。
この両性花はまだ開花していませんが、採取して分解しますと5枚の萼片もしくは花弁、数量不明ですがオシベとメシベが存在していることを確認しました。
アジサイ属には、このホンアジサイ、ガクアジサイ、ヤマアジサイが含まれます。
私の住まいの周辺には、主としてアジサイ族で構成しているお庭を見かけます。
この時期は、見事な景観を呈しています。

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(6) 6月25日

 本日の花は、コセンダングサです。
コセンダングサは、「小栴檀草」です。
コセンダングサは、センダングサの小型版ということです。
センダングサは、樹木のセンダン「栴檀」と葉が類似していることからの命名だそうです。
「栴檀は双葉より芳し」 という名句がありますが、この名句でのセンダンは白檀を指してここでの栴檀ではないとのことです。
ややこしい話です。
コセンダングサは、いわゆる雑草と呼ばれる植物です。
花は花弁が無い筒状花で、実に地味な存在です。
花期は普通は秋から冬なのですが、なぜか現在開花しています。
私も今年初めてこの花をわたし流の庭の片隅で認識したので、毎年春に開花していたのかどうかは不明です。

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(7) 6月26日

 本日の植物は、ニワウメです。
ニワウメは、「庭梅」です。
ウメに似た花をつける樹木で、樹高も1~2mと低いことることからの命名のようです。
この時期写真のように、鮮やかな赤系色の実をたっぷりとつけます。
ニワウメの花は、2番目の写真にあるようにウメに似た5弁花です。
花弁の色は、灰みの赤系の退紅(あらぞめ)色と表現されます。
ニワウメの花弁の色は、特別に朱華色(はねずいろ)と表記されもします。
わたし流には、この実を採取して庭梅酒を作ります。
3番目の写真は、昨年作った庭梅酒です。
鮮やかな赤系色の酒の果実酒で良い香りがします。
食前酒として、時折いただきます。


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(8) 6月27日

 本日の花は、ジャノヒゲです。
ジャノヒゲは、「蛇の髭」です。
しかしながら、蛇には髭が普通は在りません。
というわけで、ジョウノヒゲ「尉の髭」が転訛してジャノヒゲ「蛇の髭」になったという説が合理的です。
2番目の写真が、能楽での「尉」の面です。
ジャノヒゲの細長い糸状の葉を尉面の髭に見立てたという訳です。
湾曲した花柄に薄紫色を帯びた白色の花が下を向いて並びます。
花は、花弁は無く6枚の萼片とオシベ(6本らしい)とメシベから成ります。
冬には見事なコバルトブルーの果実を熟します。
ジャノヒゲの根を乾燥させた生薬が麦門冬です。



(9) 6月28日

 今日の植物はボケです。
ボケは、「木瓜」です。
中国名の「木瓜」をそのまま当てています。
中国原産で平安時代に渡来したそうです。
中国語の音をなぞってモケ「毛介」とし、それが転訛してボケになったようです。
「木瓜」とは、木になる瓜ということなのでしょう。
この時期実が膨らんできますが、実の形状は球状に近く瓜のような回転楕円体形状ではありません。
実(み)は例年ですと数個成るのですが、今年は10数個も成りました。
過去にボケ酒を作り芳香を楽しんだことがありました。
今年はボケ酒を仕込むことにしましょうか。