ここで新規感染者数週間比のグラフを解析するにあたり、そのポイントを要約します。

(1)新規感染者数週間比 $\widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13}$ の数値が1より大か小かという点
(2)$ \widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13} > 1$ ⇒ 日付 $d$ から2週間以内で新規感染者数が増加していると考えられること
(3)$ \widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13} = 1$ ⇒ 日付 $d$ から2週間以内で新規感染者数が増減していなく平衡していると考えられること
(4)$ \widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13} < 1$ ⇒ 日付 $d$ から2週間以内で新規感染者数が減少していると考えられること

 そこで上記ポイントを念頭に再度 Figure 1 をみてみます。
細かな挙動を無視して大局的にみると、下記事項が解析できます。
(1)新規感染者数週間比 $\widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13}$ の数値は、7月中旬での第二波のピークを過ぎて減少し8月8日付近で1を割り、以降9月5日付近まで減少する傾向にあったこと
(2)新規感染者数週間比 $\widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13}$の数値は、 9月5日以降は増加する傾向にあり10月10日付近で1をよぎり現時点に至るまで増加傾向を維持していること。


新規感染者数週間比
Figure 1 新規感染者数週間比 $\\widetilde{R}(d)_{0\\Rightarrow-13}$

 以上ここでの考察の結果として、下記事項を要約します。

(1)新規感染者数週間比$\widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13}$を導入したこと
(2)厚労省の公表データに基づき上記新規感染者数週間比を算定しグラフ化したこと
(3)その結果、9月5日以降は新規感染者数週間比は1をよぎり増加傾向にあること

 この先の懸念事項としては、上記 (3) の傾向が継続すると仮定すると次の感染ピーク、すなわち第3波の到来の可能性があげられます。

 なお次の記事としては、今回導入した新規感染者数週間比$\widetilde{R}(d)_{0\Rightarrow-13}$の合理性に関して考察したいと思います。