タタラ作り

2016年末に定年退職しました。 このブログでは、埼玉県比企郡鳩山町を中心にした植生写真を掲載します。 その他、その地誌、趣味の木工、旅行、お酒にも触れます。

陶芸教室 (4報) ⇒ 小皿焼成

 大東大オープンカレッジ陶芸教室の第4報です。
小皿の記事を書きます。

 小皿を成形する製法も、盛皿同様タタラ作りです。
作製手順は、下記となります。

1)     タタラの準備
2)  タタラに型紙を押し当てて約mm円盤状にカットする。
3)  タタラ片面の縁周囲にに粘土紐(皿の深さ程度の直径を持つ)をのせる。
4)  3) を裏返す。
5)  その中央にたたんだ布を押し付けくぼませ皿状にする。
6)  (乾燥、粘土紐を除去する。)
7)  模様を考案し、厚紙に転写後カットし型紙とする。
8)  その型紙を皿に押し当て、皿の粘土に刻印を打ち模様をマーキングします。
9)  絵付けする。
10) 釉薬をかける。
11) 焼成

生徒は手順 2)-5),7)-9)を、先生が手順 1), 6),10),11)を実行しました。
手順6) は、推定です。
前回の大皿との違いは、手順7), 8)が異なることです。
前回は模様を粘土上に転写し削りました。
今回は模様を厚紙に転写後カットし型紙を作り、その型紙を粘土に押し付け段差を作ることでマーキングしました。
厚紙をカットするのは手間がかかりそうでしたので、繰り返し模様としました。
当然その繰り返し単位だけの型紙を作れば済みます。
模様は、平安期の千鳥格子文様 [1] と言われているものにしました。
Photo.1 に手順  7)の全体の模様と繰り返し単位であるカット後の型紙の写真を示しました。
この繰り返し単位の部分に、ピンクの絵付けをしました。
このときも時間上の制約にて、丁寧な輪郭線と重ね塗りができなかったのが悔やまれます。

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Photo.1  平安期の千鳥格子文様と言われている模様
左:繰り返しの単位模様、 右:左の繰り返し単位をつなげた模様


 次に最終的な完成品を示します。
Photo. 2 をご覧ください。
皿のサイズは、およそ直径120mm、高さ20mmです。
色付けが丁寧にできなかったため、ピンクに斑がでてます。
型紙を粘土に埋めたため、模様の輪郭線はかろうじてでています。
皿底の銘は、” INF. "としました。

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Photo.2 平安期の千鳥格子文様小皿
右:皿底の銘:” INF. "

 小皿は、別にもう一つ焼成しました。
Photo.3 に手順  7)の全体の模様と繰り返し単位であるカット後の型紙の写真を示しました。
左の写真からわかりますように、単位の模様は飛翔する鶴と松の模様です。
これを用いて、右のように中心に3松模様とその周囲に鶴3羽が飛翔する模様にいたしました。
松には緑の色を付けました。
鶴は適合する色が無かったため、色付けはしませんでした。

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Photo.3 鶴に3松の模様
左:繰り返しの単位模様:飛翔鶴と松、 右:中心に3松とその周囲に輪状の3羽の鶴の模様

 完成品をPhoto.4に示します。
皿のサイズは、上記同様およそ直径120mm、高さ20mmです。
こちらの皿は、上記の皿には無い脚をつけているのが形態上の差異となります。
当初の予定とははずれ、松は3松にするスペースが確保できず2松になってしまいました。
鶴に2松です。
また鶴の輪郭線ですが、色付けもできず型紙を押し付けたときの段差だけなので明瞭さに欠けるのが心残りです。
こちらの小皿には、右の写真に示しますように底に脚を3脚付加しました。
皿底の銘は、こちらも”  INF. "としました。

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Photo.4 2松と鶴模様の3脚小皿
右:皿底の銘:”  INF. "

 最後になりますが、平安期の千鳥格子文様に関しまして触れます。
平安期の千鳥格子文様Photo.5に示します。
これは、ネットサイト [1] からの引用です。


kosimon1
Photo. 5 平安期の千鳥格子文様:引用 [1]


上記サイトには、下記のような興味をそそられる記載があります。

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この千鳥格子文様は平安時代の重要な絵画にたくさん見られる。
赤と黄の組み合わせの派手な色彩で四天王寺所蔵の「扇面法華経冊子」の下地や「伴大納言絵巻」に描かれている群集の着物柄に見る事ができる。
貴族の衣装では見られないので、庶民に流行していたと思われる。
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 なお私自身もネットサイトで「扇面法華経冊子」と「伴大納言絵巻」を調査しましたが、まだこの千鳥格子文様にいきあたっていません。
引き続き調査したいと思います。


ネットサイト


陶芸教室 (3報) ⇒ 盛皿焼成

 大東大オープンカレッジ陶芸教室の第3報です。
盛皿の記事を書きます。

 粘土を板状にしたものをタタラと呼びます。
このタタラを用いて、曲げたり、くっつけたりして成形する製法をタタラ作りと呼びます。
このタタラ作りを用いて盛皿を作りました。
作製手順は、下記となります。

1)     タタラの準備
2)  タタラに型紙を押し当てて260mm正方にカットする。
3)  タタラ片面の縁周囲にに粘土紐(皿の深さ程度の直径を持つ)をのせる。
4)  3) を裏返す。
5) その中央にたたんだ布を押し付けくぼませ皿状にする。
6)  (乾燥、粘土紐を除去する。)
7)  模様を考案する。
8)  模様を転写し、削る。
9)  絵付けする。
10)釉薬をかける。
11)焼成

生徒は手順 2)-5),7)-9)を、先生が手順 1), 6),10),11)を実行しました。
手順6) は、推定です。
Photo.1 に手順 5), 7), 8)の途中の写真を示しました。
模様は、唐草文としました。

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Photo. 1 盛皿の製作工程
左:手順 5) 上の板状粘土がタタラ、下の粘土が紐、 中:手順 7) 考案した唐草文
 右:手順 8) 模様を転写し削り出した状態


 次に最終的な完成品を示します。
Photo. 2 をご覧ください。
サイズは、およそ220mm正方です。
蔦の葉の緑色と中央の文様の空色は2度塗りできましたので、濃い仕上がりになりました。
しかし黄緑で絵付けしました蔦の茎ですが、本来は2度色を重ねる必要がありました。
しかしながら、時間の制約で1度しか絵付けできず淡い色になってしまいましたのが悔やまれます。

 Photo.1 中の唐草文の図面を見てください。
図面では蔦文様を挟み外側と内側に正方形を描いてます。
これは線刻だけで色は付けませんでした。
焼成後はこれが明瞭に出ていません。
Photo. 2 右の写真にうっすらとでています。

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Photo. 2 盛皿 唐草文
左:全体、 中:中央の文様、 右:上左部の拡大


 盛皿は、別にもう1品作製しました。
Photo. 3 をご覧ください。
この模様は、Photo.3上左の写真のように葡萄文です。
時間の制約から、絵付けは葡萄と蔦の葉だけで蔦の茎と縁部の4重の正方形にはできませんでした。
わたし流には、葡萄の絵付けは青と空色の2色を使い、また葉も緑と黄緑の2色を使いグラデーション効果による立体感を狙いました。
縁部の4重の正方形(各2重の太線と細線)は、線刻だけでしたので不明瞭な結果となりました。


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Photo. 3 盛皿 葡萄文
上左:考案した葡萄文、 上右:全体
下左:全体、 中:中央の文様、 右:上左部の拡大

 盛皿はいずれも全体の大きさに比して肉厚が少し足りなく貧相な印象を受けます。
また色付けをしない線刻だけの箇所は、線刻の方法を工夫して顕著に見えるようにする必要がありそうです。
我が家にはこのサイズの丸形の盛皿はあるのですが、角型はないので盛り付けに使ってもらえそうです。

ギャラリー
  • Soma cube の解480通りの体系化(その1)
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プロフィール

nonchan

ブログデビューしたてのビギナーです。 定年リタイア後、ルーティンとして週5のウォーキングと週2のスイミングを課してます。 ブログでは、わたし流の生活から派生した事項を載せるつもりです。 まずは、ウォーキング中に撮影した自宅付近の植生の写真を載せます。 趣味の木工も掲載しようかと考えています。