石坂の森

2016年末に定年退職しました。 このブログでは、埼玉県比企郡鳩山町を中心にした植生写真を掲載します。 その他、その地誌、趣味の木工、旅行、お酒にも触れます。

石坂の森:春蘭咲いてます!!!!!、岩殿観音:ベニシダ新芽猛々し!!!

 昨日は、石坂の森~岩殿観音~市民の森~石坂の森のウォークしました。


 岩殿観音(正法寺)境内で見られましたベニシダと推定される新芽が成長してきました。
Photo. 1 に示します。
シダ植物の新芽は、3月24日の写真よりいっそう猛々しさを感じ春らしさを演出してくれています。


オシダ科>オシダ属>ベニシダ
[学名]:Dryopteridaceae Dryopteris erythrosora


1) 
Dryopteridaceae は、オシダの科名です。
2) Dryopterisは、オシア属の属名です。 ギリシャ語のdry(カシ)+pteris(シダ)。カシノキに着生(ちゃくせい)するシダの意から。オシダ科オシダ属。」[#1]
3)
 erythrosoraは、「赤色の胞子嚢群(嚢堆)のある [#2]という意味の種小名です

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Photo. 1  岩殿観音(正法寺)境内のシダ植物の新芽ベニシダ
Dryopteridaceae Dryopteris erythrosoraと推定
上左:2017年3月24日、上右、下:2017年3月28日


 石坂の森にて、春蘭を見だしました。
Photo. 2 をご覧ください。
これは清楚な感じで

ラン科>シュンラン属>シュンラン
[学名]:Orchidaceae Cymbidium goeringii
[和名]:ホクロ、ホクリ、エクリ、アクリ、ジジババ[#3]
[漢名]:春蘭

1) Orchidaceae は、ランの科名です。
2) Cymbidiumは、シュンランの属名です。「cymbe(舟)+eidso(形)。唇弁の形に基づく。ラン科シュンラン属。」[#1]
3) goeringii は、「採集家ゲーリングGoeringという人名に因む、「Goering」+「-ii(人名に因む)」 [#2]という意味の種小名です

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Photo. 2  石坂の森シュンラン
Orchidaceae Cymbidium goeringii


参考文献

[#1]: "属名解説". 百科瞭然. http://www.geocities.jp/nonkihoke/ryozen/zokumeik.htm#[D] 
[#2]: 
"種名解説". 百科瞭然. http://www.geocities.jp/nonkihoke/ryozen/zokumeik.htm
[#3]: 跡見学園大学. 跡見群芳譜. http://www2.mmc.atomi.ac.jp/web01/Flower%20Information%20by%20Vps/Flower%20Albumn/ch2-trees/aoki.htm

岩殿観音(正法寺)境内のアオキ花芽の展開!!! ベニシダ新芽!! スミレ、シロバナノヘビイチゴ、カントウタンポポ!

 昨日は、スイミングルーティンでした。
本日は岩殿観音(正法寺)、東松山市の市民の森、鳩山町石坂の森をウォークしました。
至る場所で、いっせいに植物が活動を開始し始めました。

特に、新芽の展開・開花の準備を目の当たりにして圧倒され感動しました。

ここでは、本日遭遇しました植物6例ご紹介いたします。

 Photo.1 をご覧ください。
これは正法寺(岩殿観音)境内のアオキの花芽の展開を示しています。
市民の森、石坂の森でもアオキの花芽が観測できました。
アオキのお花は、渋いのですがとても味わいがあって大好きです。
アオキは、雌雄異株です。
この写真は、雄株の花序と推定されます。
比較として、Photo. 2に実の付いている雌株の写真を示します。

 ところでこのアオキは、
植物分類学上極めてユニークな特徴を有しており、科名を3種類ほど持っています。
すなわち、アオキ科
(Aucubaceae)ミズキ科(Cornaceae)ガリア科(Garryaceae)の3種です。
これらの3種は、植物分類学の体系の差異に相応しています。
具体的には上記の科名は、それぞれ新エングラー体系、クロンキスト体系、APG植物分類体系での科名に対応しています。
エングラー体系は、単純な花の構造から複雑な構造の花というスキームでの分類のようです。
クロンキスト体系も、花の構造に基づきますが、標準的な花構造から非標準というスキームでの分類のようです。
他方
APG植物分類体系では、前2者とは全く異なり葉緑体のゲノム解析に基づく分類のようです。


ガリア科>アオキ属>アオキ
[学名]:
Garryaceae Aucuba  japonica
[漢名]:東瀛珊瑚(トウエイサンゴ)[#1]


1) 学名の
Garryaceae は、APG植物分類体系でのガリア科という科名です。
2) 
Aucuba は、アオキ属の属名です。「アオキバ(日本名の方言)から。アオキ属」[#2]
3) 
japonica は、日本産という意味の種小名です。


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Photo. 1  岩殿観音(正法寺)境内アオキ
Garryaceae Aucuba  japonica
雄株の花序であろうと推察されます


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Photo. 2  石坂の森アオキ
Garryaceae Aucuba  japonica
雌株の花序と推察されます


 
岩殿観音(正法寺)境内では、シダ植物の新芽が観測できました。
ベニシダの新芽と推察されます。
Photo. 3 に示します。



オシダ科>オシダ属>ベニシダ
[学名]:Dryopteridaceae Dryopteris erythrosora


1) 
Dryopteridaceae は、オシダの科名です。
2) Dryopterisは、オシア属の属名です。 ギリシャ語のdry(カシ)+pteris(シダ)。カシノキに着生(ちゃくせい)するシダの意から。オシダ科オシダ属。」[#2]
3)
 erythrosoraは、「赤色の胞子嚢群(嚢堆)のある [#3]という意味の種小名です


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Photo. 3  岩殿観音(正法寺)境内のシダ植物の新芽ベニシダ
Dryopteridaceae Dryopteris erythrosoraと推定


 岩殿観音から東松山市の市民の森へさらに石坂の森に出ると、春の野草が開花していました。
Photo. 4スミレ2種を示しました。

ニオイタチツボスミレタチツボスミレと推定されますが、スミレの特定は難しいので再度調査が必要かもしれません。

スミレ科>スミレ属ニオイタチツボスミレ
[学名]:Violaceae Viola obtusa

スミレ科>スミレ属タチツボスミレ
[学名]:Violaceae Viola grypoceras


またPhoto. 5には、シロバナノヘビイチゴカントウタンポポを示しました。
昆虫もすでに活動中です。

バラ科>オランダイチゴ属>シロバナノヘビイチゴ
[学名]:Rosaceae Fragaria nipponica

キク科>タンポポ属>シロバナノヘビイチゴ
[学名]:Asteraceae Taraxacum platycarpum


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Photo. 4 スミレ
左(石坂の森):ニオイタチツボスミレか?、右(市民の森):タチツボスミレか?


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Photo. 5 市民の森
左:シロバナノヘビイチゴ、右:カントウタンポポ



参考文献
[#1]: 跡見学園大学. 跡見群芳譜. http://www2.mmc.atomi.ac.jp/web01/Flower%20Information%20by%20Vps/Flower%20Albumn/ch2-trees/aoki.htm
[#2]: "属名解説". 百科瞭然. http://www.geocities.jp/nonkihoke/ryozen/zokumeik.htm#[D] 
[#3]: 
"種名解説". 百科瞭然. http://www.geocities.jp/nonkihoke/ryozen/zokumeik.htm


石坂の森ーオオアラセイトウ、別名ショカッサイ、ハナダイコンとウグイスカグラ開花!!!!

 作日は、鳩山町石坂の森をウォークしました。
天気は朝から雨が降っていましたが、午後雨が上がったのをとらえてウォークしました。
石坂の森のパーキングが出発点でした。
 
 パーキングの付近で、オオアラセイトウ(大紫羅欄花)が開花していました。
この春初めての遭遇でした。
Photo.1 をご覧ください。
オオアラセイトウは、ムラサキハナナ(紫花菜)ショカッサイ(諸葛菜)ハナダイコン(花大根)とも呼ばれます。

アブラナ科>オオアラセイトウ属>オオアラセイトウ
[学名]:Brassicaceae Orychophragmus violaceus


1) 学名のBrassicaceae は、アブラナ科の科名です。
2) Orychophragmus は、オオアラセイトウ属の属名です。「ギリシャ語の Orycho オリュケー(穴・掘り出す)+ phragma フラグマ(隔壁・垣根)の合成語で、果実(莢)の隔壁部が 凹むことに由来/ショカツサイ属を表します」[#1]
3) violaceus は、紫紅色の、菫(すみれ)色の、「viola」=スミレ
[#2]という意味の種小名です。


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Photo. 1  鳩山町石坂の森オオアラセイトウ
Brassicaceae Orychophragmus violaceus
別名ムラサキハナナ(紫花菜)ショカッサイ(諸葛菜)
ハナダイコン(花大根)

 石坂の森の中では、ヤマウグイスカグラ(山鶯神楽)の開花が複数の個体で確認できました。
Photo. 2 に示します。
小さな花ですので、特に開花数が少ない時は見落とし勝ちです。
山鶯神楽という和名が、漢字も音韻もなんとも心地が良く好きな名称です。
この和名の語源は、基本的には不明のようです。
これに関しまして、面白い考察がありますのでご参照ください[#3]


スイカズラ科>スイカズラ属>ヤマウグイスカグラ
[学名]:Caprifoliaceae Lonicera gracilipes Miq.


1) 
Caprifoliaceae は、スイカズラ科の科名です。
2) Loniceraは、スイカズラ属の属名です。「ドイツの16世紀の数学者で採集家てもあった Adam Lonitzer の名をラテン語化したLonicerus から出た名。スイカズラ科スイカズラ属。」[#4]
3)
 gracilipesは、「細長い柄(脚)の、「足」は花茎(かけい)を指すと思われる、 「gracilis(細い、痩せた)」+「pes(足)」 [#2]という意味の種小名です。この意味をPhoto. 2でご確認ください。
4) 
Miq. は、オランダの植物学者であるFriedrich Anton Wilhelm Miquel(フリードリッヒ・アントン・ヴィルヘルム・ミクェル)を指しています[#5]

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Photo. 2  鳩山町石坂の森ヤマウグイスカグラ、
Caprifoliaceae Lonicera gracilipes Miq.
左:学名のgracilipesの意味をご確認ください。 右:ヤマウグイスカグラは、花・葉柄に毛が散生するのご特徴です。


参考文献
[#1] オオアラセイトウの花. http://blogs.yahoo.co.jp/master_horizondream50/64277262.html
[#2]: 
"種名解説". 百科瞭然. http://www.geocities.jp/nonkihoke/ryozen/zokumeik.htm
[#3]: 別府街角ウオッチング. ウグイスカグラの語源. http://www.ctb.ne.jp/~imeirou/soumoku/u/uguisukazura.html
[#4] "属名解説". 百科瞭然. http://www.geocities.jp/nonkihoke/ryozen/zokumeik.htm#[D]
[#5] "植物学者の略記一覧(M-R)". https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A4%8D%E7%89%A9%E5%AD%A6%E8%80%85%E3%81%AE%E7%95%A5%E8%A8%98%E4%B8%80%E8%A6%A7_(M-R)#P


石坂の森と市民の森ーヤマツツジが開花!!!!!、カンスゲも!!!、おまけはカンアオイ!

 昨日は、スイミングルーティンでした。
本日のウォークルーティンの対象は、鳩山町の石坂の森と東松山市の市民の森でした。
石坂の森では、ヤマツツジが花を咲かせていました。
石坂の森にも、華やかな色彩が見られるようになりました。
本日ウォーク中に花を咲かせていたのは、この個体のみでした。
Photo. 1に示します。

ツツジ科>ツツジ属>ヤマツツジ山躑躅
[学名]:Ericaceae Rhododendron kaempferi


1) 学名のEricaceae は、ツツジ科の科名です。
2)  Rhododendron は、ツツジ属の属名です。「rhodon(バラ、転じて赤い)+dendron(樹木)。転じて紅花を着ける木の意で、初めは西洋キョウチクトウの名であった。ツツジ科ツツジ属。」[#1]
3) kaempferi は、エンゲルベルト・ケンペルEngelbert Kaempfer)[#2]による命名という意味の種小名です。

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Photo. 1 石坂の森ヤマツツジ山躑躅


 またカンスゲは、ほぼ個体中50%程度でで開花状態でした。
Photo. 2に示します。
先端の雄小穂と花茎側部の雌小穂が認識できます。


カヤツリグサ科>スゲ属>カンスゲ寒菅
[学名]:Cyperaceae Carex morrowii


1) 学名のCyperaceae は、カヤツリグサ科の科名です。
2)  Carex は、スゲ属の属名です。「恐らく Cladium mariscus(ヒトモトススキの近似種)の古代ラテン名。又はその鋭い葉に起因したギリシャ語のkeirein(切る)を語源とする説もあり 、shear-grass の英名あり。カヤツリグサ科スゲ属」[#1]
3) morrowii は、採集家モローの、「Morrow」+「-ii(人名に因む)」[#3]という意味の種小名です。


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Photo. 2 石坂の森カンスゲ寒菅


 前回石坂の森でカンアオイを見だしましたが、今回さらに市民の森石坂の森カンアオイの個体を探しました。
Photo. 3市民の森カンアオイを示します。
市民の森は松が多いため、写真のように林床には松葉が豊富です。
Photo. 4石坂の森カンアオイを示します。
この写真の左側の個体の葉の文様に注目してください。
文様が無いものが存在していました。
このような個体を見たのは、初めてです。

 

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Photo. 3 市民の森カンアオイ


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Photo. 4 石坂の森カンアオイ

石坂の森のウォークで春を感じました!

本日は、鳩山町の石坂の森を回遊しました。

林内には常緑低木のアオキ(青木)、サカキ(榊)、ヤブコウジ(藪柑子)、アセビ(馬酔木) などが見られました。

数こそ少ないですが、アセビにはPhoto. 1 に示しますように既に花を持つ個体もありました。
立春過ぎでもあり、春が近接していることを時間しました。


ツツジ科>アセビ属>アセビ(馬酔木)
[学名]: Ericaceae Pieris japonica (Thunb.) D.Don ex G.Don subsp. japonica


1) 学名のEricaceaeは、ツツジ科の科名です。
2) Pierisは、アセビ属の属名です。「ギリシャ神話の詩の女神 Pieris から採った名。ツツジ科アセビ属。」[#1]
3) japonica は、日本産のという種小名です。
4) (Thunb.) は、初めて命名した原命名者がThunb.であることを表記しています。
      Thunb.は、Carl Peter Thunberg ということです。
5)D.Don ex G.Don が学名を変更したことを表記しています[#2]
      D.Don ex G.Donは、David DonとGerge Don ということです[#2]
6)subsp. japonica は亜種名を表し、 japonicaが亜種名であることを示しています。

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Photo. 1   アセビ(馬酔木) Ericaceae Pieris japonica (Thunb.) D.Don ex G.Don subsp. japonica


 石坂の森内の見晴らしの丘からは、群馬県の赤城山の他、雪を被った日光の山々が飛び込んできました。
Photo. 2 (a) には、見晴らしの丘からの北方向の近景写真をのせました。
赤城山系が、認識できますでしょうか。
またPhoto. 2 (b) には、見晴らしの丘からの北北東方向の遠景写真をのせました。
薄っすらですが、日光山系を認識できますでしょうか。


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                                  (a)                                                                         (b)
Photo. 2   石坂の森内の見晴らしの丘からの近景(a) と遠景(b):
近景には赤城山系、遠景には日光山系を見だされます。



参照文献
[#1]: "属名解説". 百科瞭然. http://www.geocities.jp/nonkihoke/ryozen/zokumeik.htm#[D]
[#2]: "植物学者の略記一覧(M-R)". https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A4%8D%E7%89%A9%E5%AD%A6%E8%80%85%E3%81%AE%E7%95%A5%E8%A8%98%E4%B8%80%E8%A6%A7_(M-R)#P




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nonchan

ブログデビューしたてのビギナーです。 定年リタイア後、ルーティンとして週5のウォーキングと週2のスイミングを課してます。 ブログでは、わたし流の生活から派生した事項を載せるつもりです。 まずは、ウォーキング中に撮影した自宅付近の植生の写真を載せます。 趣味の木工も掲載しようかと考えています。