大東大オープンカレッジ陶芸教室の第3報です。
盛皿の記事を書きます。

 粘土を板状にしたものをタタラと呼びます。
このタタラを用いて、曲げたり、くっつけたりして成形する製法をタタラ作りと呼びます。
このタタラ作りを用いて盛皿を作りました。
作製手順は、下記となります。

1)     タタラの準備
2)  タタラに型紙を押し当てて260mm正方にカットする。
3)  タタラ片面の縁周囲にに粘土紐(皿の深さ程度の直径を持つ)をのせる。
4)  3) を裏返す。
5) その中央にたたんだ布を押し付けくぼませ皿状にする。
6)  (乾燥、粘土紐を除去する。)
7)  模様を考案する。
8)  模様を転写し、削る。
9)  絵付けする。
10)釉薬をかける。
11)焼成

生徒は手順 2)-5),7)-9)を、先生が手順 1), 6),10),11)を実行しました。
手順6) は、推定です。
Photo.1 に手順 5), 7), 8)の途中の写真を示しました。
模様は、唐草文としました。

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Photo. 1 盛皿の製作工程
左:手順 5) 上の板状粘土がタタラ、下の粘土が紐、 中:手順 7) 考案した唐草文
 右:手順 8) 模様を転写し削り出した状態


 次に最終的な完成品を示します。
Photo. 2 をご覧ください。
サイズは、およそ220mm正方です。
蔦の葉の緑色と中央の文様の空色は2度塗りできましたので、濃い仕上がりになりました。
しかし黄緑で絵付けしました蔦の茎ですが、本来は2度色を重ねる必要がありました。
しかしながら、時間の制約で1度しか絵付けできず淡い色になってしまいましたのが悔やまれます。

 Photo.1 中の唐草文の図面を見てください。
図面では蔦文様を挟み外側と内側に正方形を描いてます。
これは線刻だけで色は付けませんでした。
焼成後はこれが明瞭に出ていません。
Photo. 2 右の写真にうっすらとでています。

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Photo. 2 盛皿 唐草文
左:全体、 中:中央の文様、 右:上左部の拡大


 盛皿は、別にもう1品作製しました。
Photo. 3 をご覧ください。
この模様は、Photo.3上左の写真のように葡萄文です。
時間の制約から、絵付けは葡萄と蔦の葉だけで蔦の茎と縁部の4重の正方形にはできませんでした。
わたし流には、葡萄の絵付けは青と空色の2色を使い、また葉も緑と黄緑の2色を使いグラデーション効果による立体感を狙いました。
縁部の4重の正方形(各2重の太線と細線)は、線刻だけでしたので不明瞭な結果となりました。


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Photo. 3 盛皿 葡萄文
上左:考案した葡萄文、 上右:全体
下左:全体、 中:中央の文様、 右:上左部の拡大

 盛皿はいずれも全体の大きさに比して肉厚が少し足りなく貧相な印象を受けます。
また色付けをしない線刻だけの箇所は、線刻の方法を工夫して顕著に見えるようにする必要がありそうです。
我が家にはこのサイズの丸形の盛皿はあるのですが、角型はないので盛り付けに使ってもらえそうです。