昨日は、石坂の森~市民の森~見晴らしの丘~石坂の森をウォークしました。
森のところどころに鮮やかな紅色のヤマツツジが咲いて、森に色彩を呈しています。
石坂の森に、ジュウニヒトエが咲いていました。
Photo. 1 に示します。
花弁の色が白ではなく珍しいバイオレット系の個体でした。
この個体のすぐ隣に、Photo. 2のように花弁の色が白の異なる個体がありました。
清楚な白花が印象的です。
シソ科>キランソウ属>ジュウニヒトエ
[学名]: Lamiaceae Ajuga nipponensis
[学名]: Lamiaceae Ajuga nipponensis
[漢名]: 紫背金盤(シハイキンバン,zibeijinpan)[#3]
1) Lamiaceae は、シソ科の科名です。
2) Ajuga は、キランソウ属の属名です。「a(無)+jugos(軛、束縛)。花冠の下唇上にを軛(くびき)共にするもの(即ち配偶者の一方)が見えないためという。一説に、abigaの同義語で奇形を作り出すものの意ともいう。シソ科キランソウ属」[#1]
3) nipponensis は、「「nippon(日本)」+「(接尾辞)-ensis(~原産の、地名に因む)」 」[#2]という意味の種小名です。
Photo. 1 石坂の森:ジュウニヒトエ
Lamiaceae Ajuga nipponensis
Lamiaceae Ajuga nipponensis
Photo. 2 石坂の森:ジュウニヒトエ
Lamiaceae Ajuga nipponensis
このジュウニヒトエのすぐ隣にチゴユリが開花していました。Lamiaceae Ajuga nipponensis
Photo. 3 をご覧ください。
ほぼ1輪の白花を垂れて林床に群生する様は、お稚児様の行列のようでほほえましいものです。
イヌサフラン科>チゴユリ属>チゴユリ
[学名]:Colchicaceae Disporum smilacinum
[学名]:Colchicaceae Disporum smilacinum
1) Colchicaceae は、イヌサフラン科の科名です。
2) Disporum は、チゴユリ属の属名です。「dis(二重の)+spora(種子)。子房の各室に二個の胚珠を持っていることによる。ユリ科チゴユリ属。」[#1]
3) smilacinum は、不明。
Photo. 3 石坂の森:チゴユリ
Colchicaceae Disporum smilacinum
[学名]: Smilacaceae Smilax china
1) Smilacaceae は、サルトリイバラ科の科名です。
2) Smilax は、シオデ属の属名です。「常緑のカシのギリシャ古名から転用。ユリ科シオデ属。」[#1]
3) china は「中国産の」という意味の種小名です。
野草をご案内してきましたが、樹木もご紹介します。Colchicaceae Disporum smilacinum
さて見晴らしの丘に登りますと、頂上にはサルトリイバラが開花していました。
Photo. 4 をご覧ください。
野趣あふれるサルトリイバラの花は、とても印象的です。
サルトリイバラは雌雄異株ですが、この個体は雄株です。
サルトリイバラ科>シオデ属>サルトリイバラPhoto. 4 をご覧ください。
野趣あふれるサルトリイバラの花は、とても印象的です。
サルトリイバラは雌雄異株ですが、この個体は雄株です。
[学名]: Smilacaceae Smilax china
[和名]: 猿捕茨 [#4]
[生薬名]: 山帰来(サンキライ)[#4]
[生薬名]: 山帰来(サンキライ)[#4]
1) Smilacaceae は、サルトリイバラ科の科名です。
2) Smilax は、シオデ属の属名です。「常緑のカシのギリシャ古名から転用。ユリ科シオデ属。」[#1]
3) china は「中国産の」という意味の種小名です。
Photo. 4 石坂の森:サルトリイバラ
Smilacaceae Smilax china
Smilacaceae Smilax china
Photo. 5、6 をご覧ください。
これは、ニワトコといいます。
3~5mm程度の小さな淡い紫がかった花を多数穂状につけます。
名前の由来は、ニワトコ(庭床)からといわれ、古い時代には幹を薄く削って削花(けずりばな)を作り、祭儀に供えたという。現代でも削花は小正月に飾る風習があるという。また、新築するときには庭先に祭壇(床)を作り削花を飾り神事を行ったという [#4]。
レンプクソウ科>ニワトコ属>ニワトコ
[学名]: Adoxaceae Sambucus sieboldiana var. pinnatisecta
[学名]: Adoxaceae Sambucus sieboldiana var. pinnatisecta
[和名]: 接骨木(セツコツボク) [#4]
1) Adoxaceae は、レンプクソウ科の科名です。
2) Sambucus は、シオデ属の属名です。「多分ギリシャ語の sambuce(古代の楽器)に由来。沢山の茎を林立した様子がこの楽器に似ているからという。スイカズラ科ニワトコ属。」[#1]
3) sieboldiana は「Sieboltにちなむ」[#2]という意味の種小名です。
4) var. pinnatisecta は、変種名を表記していますがpinnati は「羽状の」[#2という意味ですがsectaは不明です。
Photo. 5 石坂の森:ニワトコ
Adoxaceae Sambucus sieboldiana var. pinnatisecta
Adoxaceae Sambucus sieboldiana var. pinnatisecta
Photo. 6 石坂の森:ニワトコ
左:ニワトコ全体、右:葉
Adoxaceae Sambucus sieboldiana var. pinnatisecta
左:ニワトコ全体、右:葉
Adoxaceae Sambucus sieboldiana var. pinnatisecta
週5回のウォークを数か月課してきましたが、先週より平日は勉強に通いだしましたので週1~2回のウォークになりそうです。
しかしながら、できるだけ石坂の森と市民の森の植生・植物の話題は提供していきたいと考えています。
参考文献
[#1]: "属名解説". 百科瞭然. http://www.geocities.jp/nonkihoke/ryozen/zokumeik.htm#[D]
[#2]: "種名解説". 百科瞭然. http://www.geocities.jp/nonkihoke/ryozen/zokumeik.htm
[#3]: 跡見学園大学. 跡見群芳譜. http://www2.mmc.atomi.ac.jp/web01/Flower%20Information%20by%20Vps/Flower%20Albumn/ch2-trees/aoki.htm
[#4]: イー薬草・ドットコム. 薬用植物一覧表. http://www.e-yakusou.com/yakusou/154.htm