この記事では、スライド型に引き続き回転型4方十字組手(3本組木)技法の原理を説明します。
ここでの説明では、角材の厚さ及び幅を 2t とした場合について説明をいたします。
Figure 1 をご覧ください。
回転型4方十字組手(3本組木)を構成する3種類の角材のサイズを表示しています。
各角材の外寸法は同一で、角材の長さ L、厚さ 2t 、幅 2t は共通です。
ここで注目することは、各角材ははめ合い部の構造にそれぞれ差異があることです。
このはめ合い構造の差異から、異なる構造の材を各々材 A, B, C と識別・命名いたします。
なお各材のはめ合い部の幾何的形状を明確化するため、上方から眺めた図面をFIGURE 2に示します。

 角材のはめ合い部の構造上の特徴を確認します。
1)材Aは中央部に長手方向に階段状の構造を2個持ち、両者は90°の捻り関係になっています。
2)材Bは中央部に1辺が 2t の立方体状の大きな切欠きを持ち、直径 t で長手方向に長さ 2t の円柱部で接いだような構造を持ちます。
3)材Cは材Bの円柱部を正方柱(1辺 t の正方形を底面とし高さ 2t の正方柱)で置換した構造を持ちます。


FIGURE 1 材A,B,Cのサイズ

回転型 準備 前 v1
FIGURE 2 FIGURE 1を上方から見た図面


 回転型型4方十字組手(3本組木)を構築する手順を下記に記載します。
1)FIGURE 3 に各材 A, B, C の配位関係を示します。

回転型 N1 v1
FIGURE 3  手順1)材 A, B, C の配位関係

2)材Aに材Bを寄せ、材Bの円柱部を材Aの階段状切欠きに挿入します(FIGURE 4)。

回転型 N2 v1回転型 N2 前 v1
FIGURE 4 手順2)材 A に材 B を挿入
左:3D図、   右:前方からの2D図

3)材Aに材Cを寄せ、材Aの階段状切欠き部に材Cの正方柱状の部位をはめ合います(FIGURE 5)。

回転型 N3 v1
回転型 N3 前 v1

FIGURE 5 手順3)材 A に材 C を挿入
左:3D図、   右:前方からの2D図

4)材Bを材Bの長手方向を軸方向として180°回転させ、4方十字を組みます(FIGURE 6)。
これで完成です。

回転型 N4 v1回転型 N4 前 v1
FIGURE 6 手順3)材 B を回転させ4方十字とする
左:3D図、   右:上方からの2D図

 ここでこの回転型4方十字組手(3本組木)を総括いたしますと、上記手順において各角材の操作において並進操作だけでなく回転操作を含むことでした。
従いましてこの方式が回転型と呼ばれる所以です。