大東文化大学(大東大)オープンカレッジでの陶芸の報告記事です。
以前にフリーカップの記事でカップの成形までを書きました。
その後の手順としては、下記となります。

1) フリーカップ成形(素地土:灰色、焼成後は褐色)
2) 素地土上に白色系の化粧土をかけて乾燥
3) 模様を考案
4) 乾燥後フリーカップ表面に模様を転写、表面の化粧土を削り落とす
5) 乾燥
6) 色付け
7) 釉薬をかけ焼成

このような技法は、掻き落としと呼ばれます。
上記4)の工程が掻き落としの核心となります。
この陶芸教室では、生徒は1), 3), 4), 6) を実習し、2), 5),7) は先生が担当しました。

 Photo. 1をご覧ください。
上記1), 3), 4) のステップでの写真ですが、イメージがつかめるでしょうか。
考案した模様としては、Photo. 1の中に示しましたような大波に揺蕩う千鳥としました。

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Photo.1 掻き落とし技法の手順
左:フリーカップ成形(素地土:灰色、焼成後は褐色)、
中:考案した模様”大波に揺蕩う千鳥”、 右:掻き落とし直後

 次に最終的な完成品を示します。
Photo. 2 をご覧ください。
大海の波に青を色付けしてみました。
時間が限られていたため丁寧な色付けができなかったが悔やまれます。
が、これはこれで荒々しい感じに仕上がっているとも言えます。
千鳥は目と尾羽辺りの三日形だけを残して化粧土をすべて削っています。
削った部分が、素地土の焼成部分で明るい褐色を呈しています。
千鳥のサイズですが、写真の中央の1羽だけあと2周り程度大でもよかったのではないかと思われます。
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Photo. 2 フリーカップ完成品「大波に揺蕩う千鳥

 フリーカップは、別にもう1品作成しました。
Photo. 3 をご覧ください。
この模様は、デフォルメしたと幾何学模様の入れ子です。
幾何学模様は、飛騨組子あるいは網代模様の一崩しとなっています。
上下の縁の帯が、素地土の焼成色で明るい褐色です。
掻き落としの時間が十分取れなかったため、蕨の表現としてはヒゲとか点を使ってグラデーション化したかったのですが・・・。
また、蕨自体の緑の色付けももっと時間をかけたかったのですが・・・。

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Photo. 3 フリーカップ完成品「網代模様の一崩し

 順次焼成品が続きますので、記事とします。