一昨日5/5は、東京国立博物館(東博:トーハク)に行ってきました。
家人が久しぶりに東洋館のガンダーラ仏像を見たいということで付き合いました。
本日の予定は、東博東洋館→東博本館→東博平成館→東博庭園(茶室)→東博法寺宝物館→根津神社です。

 トーハクの開館が9:30でしたので、家を7:30頃出ました。
山手線の鶯谷で下車して、トーハクを目指しました。
海外からの観光客も多くまた特別展(「茶の湯」)も開催していましたので、チケット売り場は大変混雑していました。
日本人はやはり特別展目的が多いとみえ、特別展の売り場は行列でした。
常設展の売り場は海外の観光客が目立ちますがすぐに購入できました。

 まずは東洋館に向かいます。
東洋館は、人もまばらで静かに鑑賞できました。
家人のお気に入りは、Photo. 1 の中国 北魏時代の6世紀頃の菩薩頭部です。
笑みを浮かべた菩薩は、愛らしいお顔で和みます。


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Photo. 1 菩薩頭部(東京国立博物館:東洋館):中国 北魏時代(6世紀)、石灰岩


 このコーナーににありました如来三尊立像もなかなか良いものと感じ入りました。
中国東魏時代の秀作です。
Photo. 2 をご覧ください。
この像の光背の側面と背面には、びっしりと結縁者の銘と像が彫刻されていました。
Photo. 3をご覧ください。

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Photo. 2 如来三尊立像(東京国立博物館:東洋館):中国 東魏時代(6世紀)、石灰岩


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Photo. 3 如来三尊立像の光背の側面と背面(東京国立博物館:東洋館):中国 東魏時代(6世紀)、石灰岩

 東洋館のガンダーラとマトゥラーの仏像のコーナーも大変興味あるものが展示されていました。
Photo. 4をご覧ください。
ガンダーラの2~3世紀頃の如来坐像です。
如来の背後に設置された円形は、後光を表現しているとのことです。
またそこには、インドのヒンズーの神が2柱描かれています。
この神2柱が釈尊に礼拝する姿を表現しており、釈尊が最も偉大であることを意味しているとのことです。
ギリシャ文化の影響を受けつつ、頭髪や手組も写実的であり後世の観念的な仏像とは、かなり異なります。


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Photo. 4 如来坐像(東京国立博物館:東洋館):ガンダーラ(2~3世紀)、片岩


 ここで腹が減ってきましたので、まだ11時ですが昼ごはんといたします。
東洋館別棟のホテルオークラレストランユリにてランチとしました。
テーブル席ではなくカウンター席を選択しました。
窓からの新緑を楽しむためです。
カツカレーを注文しました。
家人曰く、「カツはサクサクしておいしいけどカレーは私のほうがおいしいわ」。
同感を催促されましたので、その通りだといいました。


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Photo. 5 カツカレー:東洋館別棟のホテルオークラレストランユリ

 東洋館を後にして、本館に向かいました。
本館では、Photo. 6 のような展示となっていました。
今回は特別展は当初より予定になかったので、本館展示の”新指定国宝・重要文化財”および平成館”日本の考古・特別展”に焦点を絞りました。


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Photo. 6 東京国立博物館の展示内容


  ”新指定国宝・重要文化財”では、東京 深大寺蔵の銅造釈迦如来倚像が印象的でした。
残念ながら写真撮影は不可でしたので、写真はご提供できません。

 本館から平成館へは、連絡通路で外に出ずとも行けます。
まず国宝の埴輪である挂甲武人(群馬県太田市飯塚町出土)がお出迎えです。
教科書で見たことがある有名な埴輪です。
挂甲(けいこう)に関しては、下記の説明文にあたってください。

[挂甲武人]
「甲(よろい)は小さな鉄板を綴じあわせた挂甲(けいこう)で、肩甲や膝甲、籠手(こて)、臑当(すねあて)、沓(くつ)も表現されている。一方、右手は腰に帯びた大刀に添え、左手に弓を持っている。左手首に巻かれているのは弓の弦から手を守る鞆(とも)で、背中には鏃(やじり)を上にして矢を収めた靫(ゆき)を背負う。」[#1]


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Photo. 7  埴輪挂甲武人(東京国立博物館平成館):群馬県太田市飯塚町出土、古墳時代、6世紀
 
 埴輪のコーナーがありました。
とても愛くるしいお顔で、ほのぼのとします。
Photo. 8をご覧ください。


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Photo. 8 埴輪(東京国立博物館平成館)
上段左より、盾持人、琴をひく男子、女子
下段左より、腰かける巫女、鍬を担ぐ男子、盛装の男子、いずれも古墳時代、6世紀


 次は東博庭園です。
春から本館北側の庭園を開放していて、庭園内に点在する5棟の茶室をまじかに見ることができます。
Photo. 9をご覧ください。


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Photo. 9 本館北側の庭園内の茶室:
上段左より、春草廬、転合庵、六窓庵;下段左より、応挙館、九条館、楼閣山水図(九条館内、狩野派)


 最後は、法隆寺宝物館です。
こちらには、法隆寺から皇室に献納され戦後国に移管された宝物、いわゆる法隆寺献納宝物300件あまりを収蔵・展示しています。
これらの国宝・重要文化財は、正倉院宝物と双璧をなす古代美術のコレクションとして高い評価を受けているそうです。
正倉院宝物が8世紀の作品が中心であるのに対して、それよりも一時代古い7世紀の宝物が数多く含まれていることが大きな特色ということです。

 ここでの展示品は、国宝 法隆寺金銅灌頂幡(かんじょうばん)と重要文化財の金銅仏・光背・押出仏です。
国宝法隆寺金銅灌頂幡は銅板を透彫りし鍍金を施したもので、日本金工史上の最高傑作の一つと言われているそうです。
写真はありません。
次の金銅仏・光背・押出仏の展示コーナーは、なぜか部屋の照明がおとされているため眼がなれるまで時間がかかりました。
64件の展示品すべてが、重要文化財に指定されており圧巻でした。
展示品で最も多いのが、飛鳥時代の銅製鋳造鍍金の観音菩薩立像でした。
およそ20躯いらっしゃいました。
その中の一躯ですが、Photo. 10をご覧ください。
次に押出仏である阿弥陀三尊および僧形像Photo. 11でご覧ください。


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Photo. 10  重要文化財 観音菩薩立像(東京国立博物館法隆寺宝物館)
銅製鋳造鍍金、飛鳥時代、白雉2年(651年)


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Photo. 11  重要文化財 阿弥陀三尊および僧形像(東京国立博物館法隆寺宝物館)
銅板製押出仏鍍金、飛鳥時代、7世紀

 なんと4時間程度を東博にて展示物の閲覧に費やしました。
次に根津神社を目指しました。
当日つつじ祭りを開催していて、境内は人であふれていました。
参詣人が大行列を形成していまいたので、今回は境内を抜けました。

 本日の締めは、蕎麦の店根津鷹匠です。
待ちの行列に加わりました。
5組程度の待ち人の後に入りました。
30分程度待って、席に入りました。
酒肴盛り合わせ、生ゆばわさび、焼みそ、エビス大瓶を注文しました。
ほどなく、冷酒 鷹勇を頼みました。
酒肴盛り合わせは、卵焼き、かまぼこ、香の物、豆腐の漬物などで酒によく合います。
生ゆばわさびは、生湯葉にわさびと酒盗がついてきます。
鷹勇は、備前風の酒器にて運ばれてきました。
なかなか味わいのある猪口と徳利です。
鷹勇は、鳥取大谷酒造の純米吟醸 なかだれ です。
ネットで調べましたら、日本酒度+5.0、酸度1.7でした。
やや芳醇な風味の酒ですが、酒肴とよくマッチしてます。
この酒には、焼みそがよくマッチします。

 次に、冷酒四季桜を頼みました。
志野風味の酒器に盛られてきました。
四季桜は、宇都宮四季桜商品組合の本醸造酒です。
四季桜本醸造は、ネットで調べましたら日本酒度+4.0、酸度1.4でした。
鷹勇より淡麗な味わいです。
 
 周りを見渡すと、客はわたしらだけでした。
もうお蕎麦が捌けたので、客はわたしらの後2、3組だけだったようです。
ついつい酒肴が進み、残る客はわたしらただけになった模様です。
程よく店の人に蕎麦にするか確認された後、ざるに盛られた蕎麦が運ばれてきました。
私は深山という名の田舎風蕎麦で、甘皮を入れた太めのそばです。
家人は、細め面のせいろ、二八蕎麦です。
白ネギと辛み大根が付いてきました。
一気に食べました。
おいしい蕎麦でした。
蕎麦湯をいただいて、お勘定にしました。


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Photo. 12  根津のお蕎麦屋さん鷹匠
上段左より、酒肴盛り合わせ、生ゆばわさび、焼みそ
下段左より、鷹勇純米吟醸なかだれ(鳥取)、四季桜本醸造(宇都宮)深山(田舎蕎麦)とせいろ(二八蕎麦)


 東博は、日本のみならず海外の国宝・重要文化財がごろごろしていて貴重な体験ができました。
ネットで展示物をチェックして、再度見てみたいと強く思いました。
本日は、24、000歩の歩程でした。
お疲れ様でした。


[#1]: 国立博物館所蔵 国宝・重要文化財. e国寶. http://www.emuseum.jp/detail/100200/001/027?word=&d_lang=ja&s_lang=ja&class=&title=&c_e=®ion=&era=&cptype=&owner=&pos=89&num=7&mode=detail¢ury=