東松山市

2016年末に定年退職しました。 このブログでは、埼玉県比企郡鳩山町を中心にした植生写真を掲載します。 その他、その地誌、趣味の木工、旅行、お酒にも触れます。

岩殿観音(正法寺)の六面幢:謎の横穴群は何か!!!!!

昨日のウォークでは、岩殿観音(正法寺)六面幢にまず向かいました。
この六面幢のロケーションは、岩殿観音(正法寺)の境内ではなく谷を隔てた尾根筋にです。

 Photo. 1 に示しますように、緑泥片岩(青石)製の正六角柱状板碑で側面に彫り物が施されています。
種字 梵字の判読は、このままでは困難です。
傍らに、東松山市教育委員会作成の標識がありました。
Photo. 2 に示しました。
標識に記載されている内容を下記にて要約します。

1) 建立年: 天正10年(西暦1582年)
2) 建立者: 岩殿山の僧道照
3) 目的: 俊誉・妙西・道慶・俊意らの菩提供養

なお、標識には埼玉県の指定文化財と記載されていますが、指定文化財のリスト[#1]には掲載されていませんでした。
調べましたところ、県指定史跡のリスト[#2]の26番目に掲載されていました。

 ここでこの六面幢の上記目的に注目しますと、俊誉・妙西・道慶・俊意らの菩提供養とあります。
この中の俊誉は、栄俊の弟子と板碑には記載されています[#3]。
新編武蔵国風土記稿[#4]によれば、栄俊とは天正2年に正法寺を再建しました別当栄俊と考えられます。
また新編武蔵国風土記稿[#4]では、俊意とは比企郡飯島村の正徳寺を開山した僧ではないかと示唆しています。
いずれにせよ、俊誉・俊意はそれなりの高僧と考えられます。


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Photo. 1  岩殿観音(正法寺)六面幢

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Photo. 2  岩殿観音(正法寺)六面幢に関しての標識


 ところで、ここにはいままで数回訪れたことがありましたが、いつも気になっていたことがあります。
それは、この六面幢付近にある横穴の存在でした。
Photo. 3 に示します。
凝灰岩壁に、大小4基の横穴が並列配置され横穴群を形成しています。
Photo. 3 では、数量4基の確認は難しいですね。

 4基の横穴の個別写真をPhoto. 4 に示します。
手前から奥行方向に、各横穴に横穴 a, b ,c , d と識別することにします。
1) 横穴a は、開口部が土砂に半ば埋もれています。
2) 横穴bは、穴の高さ・幅ともに開口部から奥行方向に向かって減少しますが、奥行の半分からは一定となっています。
3) 横穴cは、横穴bと類似しておりほぼ同一と見えました。規模も横穴 a b が4基中で最大と見えます。
4) 横穴dは、横穴dの上部凝灰岩壁が崩壊しその開口部を半分以上にわたり覆っていて内部がよくわかりませんでした。

 この横穴はいったい何でしょうか。
現在までの私の調査では、この横穴に関する資料が見当たりません。
従いまして、これよりは先は私の推理となります。
まず横穴の数量4が、六面幢に記載された主たる僧侶である俊誉・妙西・道慶・俊意の数と一致いたします。
これより、この横穴は上記僧侶に関係したものであり、例えば墳墓の可能性があるように考えられます。
ただし、天正年間に僧侶を横穴に埋葬したような風習が存在したのか否かは疑問符が付きます。
しかしながら、墳墓と推定しますとこの地点に六面幢を建立した理由が確定します。
俊誉・妙西・道慶・俊意に関連する横穴群に接近して、4人の菩提を供養したことと理解されます。
冒頭に申し上げましたように、六面幢岩殿観音(正法寺)の境内ではなく谷を隔てた尾根筋に存在しているのです。

 別の可能性としては、この地域にしばしばみられる古墳時代横穴墓ではないかという考え方もできるかもしれません。
例えば、この近辺にあります鳩山町の十郎横穴群を挙げられます。
しかしながら、前述しましたように六面幢横穴に関する資料も見当たらず、古墳時代の遺跡と考えるには否定的にならざるを得ません。

 私としては、前者の可能性が高いかと考えています。
どなたかご存知の方は、情報をお寄せください。


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Photo. 3  岩殿観音(正法寺)六面幢付近の横穴群
手前から奥行方向に、4基の横穴を横穴 a, b ,c , d と識別します

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Photo. 4  横穴群の個別写真:上左;横穴a、上右;横穴b、下左;横穴c、下右;横穴d


 このあと岩殿観音(正法寺)の境内にでますと、鐘楼わきの早咲きの桜が満開でした。
この春初めての桜となりましたが、彼岸桜でしょうか。
Photo. 5 をご覧ください。
葉も展開を開始しています。
遠景に見えます御堂は、百地蔵堂となります。


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Photo. 5 岩殿観音(正法寺)境内の早咲き彼岸桜:遠景は百地蔵堂


参考文献
[#1]: 埼玉県. 埼玉県指定有形文化財. https://www.pref.saitama.lg.jp/f2216/documents/11.pdf
[#2]: 埼玉県. 埼玉県指定史跡. https://www.pref.saitama.lg.jp/f2216/documents/14-1.pdf
「No.26:正法寺六面幢:板石塔婆6枚を六角形に組み合わせたもの。高さ1.15m、天正10年銘。蓋石に彫刻」と記載されています。
[#3]: 国立国会図書館.デジタルコレクション.「埼玉県史蹟名勝天然紀念物調査報告第五輯」. http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1122124/61?tocOpened=1
[#4]: 東松山市教育委員会、新編武蔵国風土記稿 寺院 堂庵 書上、東松山市、1981



石坂の森と市民の森ーヤマツツジが開花!!!!!、カンスゲも!!!、おまけはカンアオイ!

 昨日は、スイミングルーティンでした。
本日のウォークルーティンの対象は、鳩山町の石坂の森と東松山市の市民の森でした。
石坂の森では、ヤマツツジが花を咲かせていました。
石坂の森にも、華やかな色彩が見られるようになりました。
本日ウォーク中に花を咲かせていたのは、この個体のみでした。
Photo. 1に示します。

ツツジ科>ツツジ属>ヤマツツジ山躑躅
[学名]:Ericaceae Rhododendron kaempferi


1) 学名のEricaceae は、ツツジ科の科名です。
2)  Rhododendron は、ツツジ属の属名です。「rhodon(バラ、転じて赤い)+dendron(樹木)。転じて紅花を着ける木の意で、初めは西洋キョウチクトウの名であった。ツツジ科ツツジ属。」[#1]
3) kaempferi は、エンゲルベルト・ケンペルEngelbert Kaempfer)[#2]による命名という意味の種小名です。

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Photo. 1 石坂の森ヤマツツジ山躑躅


 またカンスゲは、ほぼ個体中50%程度でで開花状態でした。
Photo. 2に示します。
先端の雄小穂と花茎側部の雌小穂が認識できます。


カヤツリグサ科>スゲ属>カンスゲ寒菅
[学名]:Cyperaceae Carex morrowii


1) 学名のCyperaceae は、カヤツリグサ科の科名です。
2)  Carex は、スゲ属の属名です。「恐らく Cladium mariscus(ヒトモトススキの近似種)の古代ラテン名。又はその鋭い葉に起因したギリシャ語のkeirein(切る)を語源とする説もあり 、shear-grass の英名あり。カヤツリグサ科スゲ属」[#1]
3) morrowii は、採集家モローの、「Morrow」+「-ii(人名に因む)」[#3]という意味の種小名です。


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Photo. 2 石坂の森カンスゲ寒菅


 前回石坂の森でカンアオイを見だしましたが、今回さらに市民の森石坂の森カンアオイの個体を探しました。
Photo. 3市民の森カンアオイを示します。
市民の森は松が多いため、写真のように林床には松葉が豊富です。
Photo. 4石坂の森カンアオイを示します。
この写真の左側の個体の葉の文様に注目してください。
文様が無いものが存在していました。
このような個体を見たのは、初めてです。

 

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Photo. 3 市民の森カンアオイ


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Photo. 4 石坂の森カンアオイ

ウォーク・ルーティンの終了

本日も東松山市の市民の森をウォークしました。

埼玉でも古刹として大変有名な正法寺(岩殿観音)が本日のウォークの出発地でした。

正法寺に関しましては、千手観音、梵鐘、算額、仁王像、石段、門前町など興味深い事項が多々あり、いずれ個別にじっくり考察したいと考えています。

さて本日は、境内にありましたシダ植物に関しましてご案内いたします。

Photo. 1, 2 に示しますシダ植物が、崖に存在していました。

1回羽状複葉、1-3対の側羽片と頂羽片、辺縁は不規則な鋸歯縁等の特徴からマツザカシダ(松坂羊歯)と推定されます。葉の表面は緑色で、中央には白斑はみられませんでした。
この推定の根拠は、参考文献 [#1] に基づきます。
前回ご案内のイノモトソウとは同属です。イノモトソウに存在しました特徴的な中軸の翼はありません。


イノモトソウ科イノモトソウ属>マツザカシダ
[学名]:Pteridaceae Pteris nipponica Shieh


1) 学名の Pteris は、「pteron(翼)。羽状の葉形から来たもの」[#2]
2) nipponica は、「日本の」 という種小名です。
3)
Shiehは、命名者です。調べましたが不明でした。

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Photo. 1   マツザカシダ Pteridaceae Pteris nipponica Shieh


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Photo. 2   マツザカシダ Pteridaceae Pteris nipponica Shieh


Photo. 3 には、葉柄基部を示してます。
無毛で、わずかに褐色が買っています。鱗片は見られません。

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Photo. 3   マツザカシダ葉柄基部



参照文献
[#1]: 岩槻邦男編、日本のシダ植物 シダ、平凡社、1992、ISBN4-582-53506-2
[#2]: "属名解説". 百科瞭然. http://www.geocities.jp/nonkihoke/ryozen/zokumeik.htm#[D]

ウォーク・ルーティン完了

本日も快晴の下でのウォーク・ルーティン完了。

前回同様、東松山市の市民の森を回遊しました。

前回ご報告しました石垣には、Photo. 1, 2 に示しますシダ植物も群生していました。
すっかりシダ屋となってしまいました。

頂羽片のはっきりとした単羽状(1回羽状複葉)、葉辺鋸歯、羽片1-2対、中軸の翼、最下の側羽片にある小羽片などの特徴からイノモトソウ(井の許草)と推定されます。
この推定の根拠は、参考文献 [#1] に基づきます。
最も顕著な特徴は、中軸の翼に違いありません。


イノモトソウ科>イノモトソウ属>イノモトウソウ
「学名」:Pteridaceae Pteris multifida Poir


1) 学名の Pteris は、「pteron(翼)。羽状の葉形から来たもの」[#2]
2) multifida は、羅和辞典 [#3] ではmultifidusとして「1.多くの割れ目のある、2.多烈・・・」とあります。
3) Poirは、学名の命名者で仏の植物学者Jean Louis Marie Poiret [#4] と考えられます。


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Photo.1   イノモトウソウ Pteridaceae Pteris multifida Poir


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Photo.2   イノモトウソウ Pteridaceae Pteris multifida Poir


参照文献
[#1]: 岩槻邦男編、日本のシダ植物 シダ、平凡社、1992、ISBN4-582-53506-2
[#2]: "属名解説". 百科瞭然. http://www.geocities.jp/nonkihoke/ryozen/zokumeik.htm#[D]
[#3]: 田中秀央編、羅和辞典、研究社、2006, ISBN4-7674-9024-3
[#4]: "植物学者の略記一覧(M-R)". https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A4%8D%E7%89%A9%E5%AD%A6%E8%80%85%E3%81%AE%E7%95%A5%E8%A8%98%E4%B8%80%E8%A6%A7_(M-R)#P

ウォーク・ルーティン終了

本日のウォーク・ルーティン終了。

 東松山市市民の森周辺を回遊しました。
Photo. 1 のシダ植物が、森縁辺の日当たりのよい石壁に群生していました。

 1回羽状複葉、葉辺細鋸歯、羽片12-13対、羽片基部の耳垂、光沢無し等の特徴からヤマヤブソテツ(山藪蘇鉄)と推定されます。この推定の根拠は、参考文献 [#1] に基づきます。


オシダ科>ヤブソテツ属>ヤマヤブソテツ
[学名]:Dryopteridaceae Cyrtomium fortunei var. clivicola (Makino) Tagawa


1) 学名のDryopteridaceaeは、オシダ科の科名です。Dryopteris が「ギリシャ語のdry(カシ)+pteris(シダ)。カシノキに着生(ちゃくせい)するシダの意から」[#2]
2) Cyrtomiumは、ヤブソテツ属の属名です。「cyrtoma(曲がり)。羽片が鎌形に曲がるから」[#3]
3) fortunei は、「東亜の植物採集家R.フォーチュンの、「Fortune」+「-i(人名に因む)」[#3] という種小名です。
4) var. clivicolaは、変種名の指定ですが、調査をしましたがその意味は不明でした。
5) (Makino) は、牧野博士が初めて命名した原命名者であることを表記しています。
6)Tagawa は、田川博士が学名を変更したことを表記しています。

参照文献
[#1]: 岩槻邦男編、日本のシダ植物 シダ、平凡社、1992、ISBN4-582-53506-2
[#2]: "属名解説". 百科瞭然. http://www.geocities.jp/nonkihoke/ryozen/zokumeik.htm#[D]
[#3]: "種名解説". 百科瞭然. http://www.geocities.jp/nonkihoke/ryozen/zokumeik.htm

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Photo. 1   ヤマヤブソテツ:Cyrtomium fortunei var. clivicola  (Makino) Tagawa


Photo. 2
は、羽片裏の胞子嚢群(ソーラス)を示しています。
不規則に散在しているのがわかります。

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Photo. 2   ヤマヤブソテツ 裏面のソーラス

Photo. 3 に葉柄基部の鱗片を示します。
褐色、黒褐色の披針形であることがわかります。
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Photo. 3  ヤマヤブソテツ 葉柄基部の鱗片

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nonchan

ブログデビューしたてのビギナーです。 定年リタイア後、ルーティンとして週5のウォーキングと週2のスイミングを課してます。 ブログでは、わたし流の生活から派生した事項を載せるつもりです。 まずは、ウォーキング中に撮影した自宅付近の植生の写真を載せます。 趣味の木工も掲載しようかと考えています。