飛騨組子

2016年末に定年退職しました。 このブログでは、埼玉県比企郡鳩山町を中心にした植生写真を掲載します。 その他、その地誌、趣味の木工、旅行、お酒にも触れます。

陶芸教室 ( 2報 ) ⇒フリーカップ焼成

 大東文化大学(大東大)オープンカレッジでの陶芸の報告記事です。
以前にフリーカップの記事でカップの成形までを書きました。
その後の手順としては、下記となります。

1) フリーカップ成形(素地土:灰色、焼成後は褐色)
2) 素地土上に白色系の化粧土をかけて乾燥
3) 模様を考案
4) 乾燥後フリーカップ表面に模様を転写、表面の化粧土を削り落とす
5) 乾燥
6) 色付け
7) 釉薬をかけ焼成

このような技法は、掻き落としと呼ばれます。
上記4)の工程が掻き落としの核心となります。
この陶芸教室では、生徒は1), 3), 4), 6) を実習し、2), 5),7) は先生が担当しました。

 Photo. 1をご覧ください。
上記1), 3), 4) のステップでの写真ですが、イメージがつかめるでしょうか。
考案した模様としては、Photo. 1の中に示しましたような大波に揺蕩う千鳥としました。

IMG_20180518_112045IMG_20180622_095405IMG_20180608_113950
Photo.1 掻き落とし技法の手順
左:フリーカップ成形(素地土:灰色、焼成後は褐色)、
中:考案した模様”大波に揺蕩う千鳥”、 右:掻き落とし直後

 次に最終的な完成品を示します。
Photo. 2 をご覧ください。
大海の波に青を色付けしてみました。
時間が限られていたため丁寧な色付けができなかったが悔やまれます。
が、これはこれで荒々しい感じに仕上がっているとも言えます。
千鳥は目と尾羽辺りの三日形だけを残して化粧土をすべて削っています。
削った部分が、素地土の焼成部分で明るい褐色を呈しています。
千鳥のサイズですが、写真の中央の1羽だけあと2周り程度大でもよかったのではないかと思われます。
IMG_20180716_142210IMG_20180716_142228IMG_20180716_142241
Photo. 2 フリーカップ完成品「大波に揺蕩う千鳥

 フリーカップは、別にもう1品作成しました。
Photo. 3 をご覧ください。
この模様は、デフォルメしたと幾何学模様の入れ子です。
幾何学模様は、飛騨組子あるいは網代模様の一崩しとなっています。
上下の縁の帯が、素地土の焼成色で明るい褐色です。
掻き落としの時間が十分取れなかったため、蕨の表現としてはヒゲとか点を使ってグラデーション化したかったのですが・・・。
また、蕨自体の緑の色付けももっと時間をかけたかったのですが・・・。

IMG_20180716_142056IMG_20180716_142005IMG_20180716_142028
Photo. 3 フリーカップ完成品「網代模様の一崩し

 順次焼成品が続きますので、記事とします。

飛騨組子についてー千鳥格子に関しての疑問!

以前から気になっていたことを記事にします。
それは、飛騨組子をなぜ千鳥格子と呼んだのかということに関しての疑問です。
Photo.1 (a)飛騨組子です。
いっぽう、Photo. 1 (b) いわゆる千鳥格子です。
両者の相互関係が、わたし流にはまったく理解不能でした。
この理由からメインの名称として飛騨組子を用い、千鳥格子は通称としてきました。

 いわゆる千鳥格子は、そもそもはスコットランド由来のハウンドトゥース チェック ( hound's-tooth check ) に対してつけられた和名であるというのが一般的理解であると思います。
ハウンドトゥース チェックは、猟犬(hound)の歯をモザイク状にして配列した文様であるとのことです [1]
Photo. 1 (c)に猟犬(hound)の歯を示します。
この全体をモザイク化しデフォルメし45°に傾斜させると、Photo. 1 (b)の文様の黒色の繰り返しの一つの単位になり得そうです。
ここでも素朴な別の疑問として、Photo. 1 (b)のハウンドトゥース チェックを千鳥格子と和訳したかということがあります。
Photo. 1 (b)のハウンドトゥース チェックの中に、和文様での千鳥の姿を見ることがわたし流では不可能です。
この別のさらなる疑問に関しては、話が混乱しますので別途考察することといたします。


IMG_20180331_133920publicdomainq-0002514kcdHounds-Teeth-Tessalations-300x297
                            (a)                                            (b)                           (c)
Photo. 1   (a):飛騨組子、 (b):千鳥格子、(c):Hound's tooth (引用 [1]


 本題に戻ります。
Photo. 1 (a)飛騨組子をなぜ千鳥格子と呼んだのかという疑問です。
わたしのこのブログでの以前の記事(飛騨組子(千鳥格子)を作製!!!)を引用します。

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なおこの飛騨組子のことを千鳥格子と呼んでいます。
下記がそのいわれです[1]

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今から360年前、飛騨の名工が旧軽岡峠(現高山市荘川町)

上り口に地蔵堂を造りました。

その格子戸の組子は、普通では組めない互い違いに組んだものでした。

どのように組んであるか外見ではわからい素晴らしい出来栄を、

昭和46年荘川村(現高山市荘川町)指定文化財に指定し、

これを「千鳥格子」と呼ばれるようになりました。

または、ねじれ組格子とも言われます。
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参考文献

[1]: https://www.hidatakumi.jp/%E9%A3%9B%E9%A8%A8%E7%B5%84%E5%AD%90-%E5%8D%83%E9%B3%A5%E6%A0%BC%E5%AD%90%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

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 上記が引用です。
ここには、千鳥格子と命名したのは飛騨の名工が作った地蔵堂の格子戸の組子を荘川村が指定文化財に指定した際にこの組子を千鳥格子と命名したように記載されています。
この地蔵堂は、現在は高山市指定の有形民俗文化財で千鳥格子御堂という名称になっています [2]
いっぽう岐阜県の公式ホームページ [3] に、概要として大変気になる下記の記事が掲載されていました。

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六廐金山の繁栄した、慶長・元和頃「六廐の了宗寺」を建てた棟梁がこの辻堂を建てたと言われる。
小間返しの格子組で、千鳥になっており、明治の初期に高山の大工が、この技法を知ろうとして格子の一部を壊したと言われている。

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上記「小間返しの格子組で、千鳥になっており」という箇所に重要な情報がありました。
小間返し」「格子組」「千鳥」は、すべて社寺に関係する建築用語です。

●「小間返し」:垂木や格子など細長い部材を連続的に並べるときに、見込寸法と同じ間隔をあけてならべること [4]
●「格子組」:感覚的に、太い材で‘枡組’(正方形)に組むこと [5]
●「千鳥」:互い違いになっている状態、または互い違いに施工すること。ジグザグに歩く千鳥足から来ていると思われる [6]

つまり、荘川村が指定文化財に指定した際に地蔵堂の小間返しの格子の正方形状の組子が”互い違い、すなわち千鳥、になっていた”ので、千鳥状の格子、すなわち千鳥格子と命名したのであると考察されます。
従って命名には、Photo. 1 (b)いわゆる千鳥格子を想定したのではないと考えられます。
これで今までの疑問が解けたような気がします。

 おそらく建築に関係する人の中には千鳥格子という名称からすぐにPhoto. 1 (b)ハウンドトゥース チェックを想起しない人がいるのかもしれません。
わたしは建築には無縁ですので、千鳥格子という名称からすぐにPhoto. 1 (b)ハウンドトゥースを想起しました。

 皆様はいかがでしょうか。
どうも千鳥格子という名称は、あいまいさが漂っています。
厳密に定義したいと思いませんか。
そこで下記ご提案です。

(1)いわゆる千鳥格子つまりPhoto. 1 (b)ハウンドトゥース チェック千鳥格子とよぶことにする。
(2)Photo.1 (a)は、飛騨組子と呼ぶことにする。
次はわたし流の提案です。
(3)あるいはPhoto.1 (a)は、網代文様組子と呼ぶこととする。

 わたし流の提案に関して補足いたします。
日本の伝統的な文様として、網代文様があります。
Photo. 2網代文様を示します。
右側の一崩し網代文様は、Photo.1 (a)飛騨組子そのものです
文様の類別は、数学的には文様群 [10]壁紙群wallpaper group [11] )というカテゴリーで取り扱われます。
そこでは、平面を充填する文様の様式は17種類であるということが定理化されています。
Photo.1 (a)飛騨組子の文様様式は、文様群 c2mm に分類されます。
Photo. 2網代文様は三崩しも一崩しもいずれの文様様式も、文様群 c2mm に分類されます。
従いまして、網代文様組木という名称は、文様群的には同一の様式という一貫性のある合理的な名称であると考えています。
なおPhoto. 1 (b)ハウンドトゥース チェックの文様様式は、上記とは異なる別の文様群 p1m1 に分類されます。
文様群についてはいずれ別の機会に触れたいと考えています。


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Photo.2 網代文様
左:三崩し、 算木崩し (引用:[7]、解説:[8] )、 右:一崩し(引用:[9])

飛騨組子(千鳥格子)技法の原理




 以前飛騨組子を作製し記事  [1] にしましたが、その際に飛騨組子の技法上の原理説明を省きました。
今回は今後のためこの原理の説明を試みます。
難しい話ではないのですが、図面を作るのをさぼっていたためのびてしまいました。

 6本の角材から組む飛騨組子(千鳥格子)は、5本の同一断面形状の角材とそれとは異なる1本の角材形状の角材から構成されます。

角材V1,V3の断面形状は、FIGURE 1 の右側に示しています。
3か所の凹部を持ちます。
この凹部を専門的には相欠きと申します。
この凹部の深さ、すなわち欠き取る深さは角材の板厚の2/3です。
他方 H1, H3の断面形状は、FIGURE 1 の下方に示しています。
これも3か所の相欠きを持ちます。
すぐわかりますように、V1あるいはV3をひっくり返したものです。
また、V1,V3,H1,H3はすべて同一形状であることもわかります。
手順としては、下記となります。 
(1) V1とV3を机上に置きます。
(2) その上にH1とH3を、相欠きを重ねて接ぎます。

 

FIGURE 1 V1,V3の上にH1, H3を置きます


 次にFIGURE 2 をご覧ください。
5本目の角材 V2 を持ってきます。
これは、今までの角材と同一の断面形状です。

(3)このV2をH1,H2の上に相欠きを重ねて接ぎます。



FIGURE 2 V2 を置きます


 FIGURE 3をご覧ください。
この図は、このときのH1またはH3とV1,V2,V3との相欠きの重なりの状況を模式的に示しています。
相欠きの深さがすべて2/3としたため、H1またはH3とV1,V2,V3との相欠きに空き間が形成されていることがご理解いただけますでしょうか。


FIGURE 3 H1あるいはH3とV1,V2,V3の相欠きの状況


  さてこの時にV1とV3を上方に持ち上げた際の状況は、どうなるでしょうか。
FIGURE 4をご覧ください。
V1とV2には上向きの外力が作用し、その他のH1,H2,V2には下向きの重力が作用します。
FIGURE 3で説明しました相欠きの空き空間による効果です。
このときV1またはV3とV2との位置関係はどうなるでしょうか。

FIGURE 4 V1とV3を上方に持ち上げたとき:
H1あるいはH3とV1,V2,V3の相欠きの状況


  この位置関係を図示しましたのが、FIGURE 5 (a) です。
図中の L に注目ください。
これはH1あるいはH2の角材表面の机上からの準位を表します。
この準位LがV1あるいはV3,V2においてはどこに相応するかを図中の(b)に示しています。
図中 (a) からご理解いただけると思います。
(b)の準位Lを一致させて描いたのが、(c)となります。
図中で領域Sと表した空間ができます。
このSの図中において横の長さは、1/3+2/3=1となり角材の肉厚に等しくなります。

FIGURE 5 V1とV3を上方に持ち上げたとき:
V1あるいはV3に対するV3の位置関係


 この領域Sが生成されることが、この飛騨組手の核心となります。
FIGURE 6 をご覧ください。
ここに角材H2を図の左側から横方向に領域Sを通過させて貫通させます。
このH2の断面形状が図中に示されています。
H2は他の5本と断面形状が異なります。
すなわち異なる点は、相欠き深さはが2/3ではなく1/3である点です。
このH2は相欠きのはめ合いを緩みなく強固にするため必要最小の数値1/3にしています。



FIGURE 6 V1とV3を上方に持ち上げた状態でH2を貫通させる

 
 最後に持ち上げていたV1とV2を離せば、H2はV1,V2,V3と相欠きで緩みなく強固にはめ合います。
FIGURE7に示しますように、これで完成です。


FIGURE 7 持ち上げていたV1とV3を離せばH2はV1,V2,V3と相欠きで
緩みなくはめ合い完成です

参照

飛騨組子(千鳥格子)を作製!!!

一昨日は川島にあるカインズホーム工房にて飛騨組子(通称では千鳥格子)を作製してきました。
資材売り場にてホワイトウッド角材を購入して、工房を4時間借りられる権利を得ました。
角材のサイズは19mm×25mm×1820mmで、価格は478円でした。
鶴ヶ島のカインズ工房でのワークは経験済みでしたが、こちらは初めてでした。
ルールは同一でした。

 ワークベンチが3台あり、うち1台はすでに使用中でした。
大学生と思しき男性1人が何やら製作中でした。
当方も車から、ツール箱を2個運びこみました。
ツール箱の工具は、丸鋸、ルータ、定規類、鑿類といったところです。
主たる作業は、電動工具を使ったカットと切り欠きとなります。
電動工具を使用するのは久しぶりでしたので、切り欠きに時間を取られ完成に至りませんでした。
翌日自宅で胴付鋸と鑿類など手工具を用いて続行し完成させました。

 Photo.1 に示しました飛騨組子をご覧ください。
花台にしているのが、今回製作した飛騨組子です。
19mm(W)×25mm(H)×117mm(L)の直方体形状の角材6個から構成された組木です。
飛騨の伝統的組木として有名です。
横方向、縦方向に厚さ25mmの角材が互い違いに組まれています。
それはまるで竹細工の編み込みのようにみえます。
厚みの無い竹であれば、このように編み込むことは困難ではありません。
それでは厚さ25mmの角材を如何にして、竹細工のように編み込むのか。
回答は次回とします。




IMG_20180331_092209
Photo.1 飛騨組子(通称、千鳥格子

IMG_20180331_133920

Photo.2 飛騨組子(通称、千鳥格子
まるで竹細工の編み込みのように、25mm厚の角材が相互に入り込まれています!

 なおこの飛騨組子のことを千鳥格子と呼んでいます。
下記がそのいわれです[1]

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今から360年前、飛騨の名工が旧軽岡峠(現高山市荘川町)

上り口に地蔵堂を造りました。

その格子戸の組子は、普通では組めない互い違いに組んだものでした。

どのように組んであるか外見ではわからい素晴らしい出来栄を、

昭和46年荘川村(現高山市荘川町)指定文化財に指定し、

これを「千鳥格子」と呼ばれるようになりました。

または、ねじれ組格子とも言われます。
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参考文献

[1]:https://www.hidatakumi.jp/%E9%A3%9B%E9%A8%A8%E7%B5%84%E5%AD%90-%E5%8D%83%E9%B3%A5%E6%A0%BC%E5%AD%90%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

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プロフィール

nonchan

ブログデビューしたてのビギナーです。 定年リタイア後、ルーティンとして週5のウォーキングと週2のスイミングを課してます。 ブログでは、わたし流の生活から派生した事項を載せるつもりです。 まずは、ウォーキング中に撮影した自宅付近の植生の写真を載せます。 趣味の木工も掲載しようかと考えています。